能登の未来

FUTURE

船で繋がる未来:百年後の能登風景

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投稿者

坂本那香子

「100年後の能登が、どのような場所であって欲しいか?」「孫やひ孫に残したい能登は、どのような未来か?」と問われると、私の心に描かれるのは、静かな海岸線に沿った小さな集落や、美しい山々に囲まれた風景です。

昔、震災前に能登半島を自転車で巡った時の印象が鮮明に残っています。湾の奥に広がる小さな集落や、海に面した通り、丘の上に佇む寺社仏閣、そして手入れの行き届いた家々。それらの美しさに感動しました。自動車ができる前は、陸路ではなく海路が交通のメインだったことを考えると、人々はずっと自立分散型のサステイナブルな形で、能登の里海里山と共存してきたことが伺えます。

現在の時代においても、東京からの飛行機で、のと里山空港に降り立つと、緑に囲まれた山々が迎えてくれる景色が、まるでバリ島を訪れたような感覚を呼び起こします。美味しい食べ物、特に魚介類の豊富さも、能登半島の魅力の一部です。暖流と寒流が交わる地域だからこそ、味わえるピカイチの美味しさ。

震災によって能登半島の地形は少し変わったかもしれませんが、その美しさは変わることはありません。この美しい自然環境を未来の子どもたちに伝え、守り抜いていくことが大切です。小さな船で能登半島全体を周遊でき、それぞれに緩やかな繋がりを持ちながら、災害に対しても強いレジリエンスを発揮し、中央に頼らずに基本的に水もエネルギーも食べ物も自給自足できるような小規模多機能型自治体になっていけたら素敵です。この災害を一つの契機として、これからも能登の優しさと美しさが未来に続くよう心から願っています。

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