能登の未来

FUTURE

生きもの全体の復興

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投稿者

三村紀美子

能登から人間の役割を変えていければいいなと思っています。人間の生活を豊かにすることから、生態系全体を豊かにするほうへ。人間だけの復興ではなく、生きもの全体の復興を進めていくことが、私の考える能登乃國百年之計です。
そのためには、どうすればいいのでしょうか。まずは人口減を受け入れ、能登の風土に合ったかたちで共同体をつくりなおし、少ない人数でも豊かに暮らせるような社会を実現していくことかと考えています。
そして同時に、役目を終えた場の「逆開発」を行い、環境の回復を後押しし、人の手があまり入らなくてもバランスが保たれるようにしていく必要があるでしょう。人間の代わりに他の生きものが、その土地を豊かにしてくれることを願い、みんなで知恵を出し合いながら。
維持できなくなった共同体を畳むのは、必ずしもネガティブなことではありません。土地を放棄するのではなく、きれいにして神様に返すのです。社を持たないゆるやかな禁足地や入らずの森、という感じでしょうか。そういう場が生きものの豊かな住処になり、彼らの祭をおこなっていくであろうことを、能登の人間はどこかで分かっています。
能登に限らず、日本の地方では人口の減少が避けられません。だから、その良き先駆けとなっていくことが、いろんな人に助けてもらった能登の人間の恩返しでもあるような気がします。そして、渡り鳥が毎年戻ってくるように、能登に縁が生じた人たちがまた戻ってきてくれればいいなと思っています。

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