能登の未来

FUTURE

風土に根ざした生活のなかで住民がたくましく元気に暮らす能登

  • Facebook
  • X
  • LINE

投稿者

加藤美紀

100年後は、びっくりするような能登になっているんだろうなと思う。数年後の復興した姿、それすらまだ想像できない。100年後の能登なんて夢のような話。きっと技術が発展していけば、半島のリスクは無くなっていって。そうしたら、半島の利点を活かした能登になっていてほしいな。いまの能登がまだまだ残っていてほしい。100年後も能登半島の半漁半農の生活や人との繋がり、海や山などの自然とともにある生活が残っているといですよね。
これまで、ライフワークで公民館や集会所を訪問してフットケア教室を開催して介護予防運動を届けるというのをやっていた。高齢者がずっと元気でいられる仕組みはなんだろう。能登の高齢者の方々は、自宅近くの畑に出ていて、そこでコミュニティができていて元気のもとになっている。畑に何を植えたかの話をしたり、お茶の時間になったらお菓子を持ち寄って楽しい会話をしたり。畑だけではなく、海や山でも季節ごとの収穫がある。そういうルーティーンがあることは、生きる張り合いであり能登の人の元気のもと。今回の震災で、岩場が隆起したけど能登の人はサザエも海苔も採れると喜んでいた。震災を機にまた次の新しいものが生まれて来るという希望を持って今後のことを考えていくべきなんだなと思いますよね。100年後のためには、いま元気でいられるように生きる張り合いをつくっていくことが大切だと思う。
 現在、県外に避難していて改めて感じるのは、能登の人たちは厳しい環境のなかで、みんなでお互いに気づかいながら助け合って生きて来たんだなと。能登の人には、あっけらかんとしたくらいの強さがある。耕作地が少ない場所をなんとか開墾したり、採れたものを保存食などにして貯蔵したり。今回、震災後に陸の孤島となって大変なことになって、いかに私たちは凄い場所に住んでいたんだということを今更ながらに感じた。能登の能登たる所以は、険しい地形や気候風土のなかにある。それを活かした生活風土が100年後もきっと残っていくんだろうな、残していてほしいなと思う。私は40年前に結婚して珠洲に来たとき、能登の人たちの受け入れてくれる懐の大きさを感じた。その辺はずっと残っていてほしいなと思いますよね。

  • Facebook
  • X
  • LINE
TOP