能登の未来

FUTURE

若者を起点とした能登半島復興プロジェクト

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投稿者

伊藤公登

私は、愛知県出身の能登よりも「都会」と位置づけられる場所で生まれ育ちました。正直なところ、アクセスは悪く、少し寂しい気がしますが、輪島の朝市、千米田、美味しい店など繰り返し足を運び今思い返せば「行く価値」のある場所だと感じていたのだと思います。能登半島は、何度も訪れたくなる場所、そして長く住んでいる人には「能登にいたい」と思わせる土地柄なのだと感じています。
 しかし、24年1月1日、地震により「元どおりには戻らないもの」となってしまいました。しかし、私はこれをあえて「チャンス」と捉えます。全国から能登半島に注目が集まっている今、これまでの能登の魅力と新しいモノを融合し、新しい能登を作っていける「チャンス」です。
 私たち学生が力となれるチャンスがそこにあると考えています。新しいことを試すチャンスです。私は金沢大学の融合学域先導学類に在学しています。「学都金沢」と言われ、石川県には私の通う金沢大学をはじめ多くの学生がいます。若い世代のアイディア、感じる能登の魅力、を反映させるポテンシャル、奥深さが能登にはあると思います。ここで重要なのは今までの能登と新しいアイデアの融合の程度です。能登の伝統を守ることは確かに不可欠です。自治体や政治家の方、地元住民の人たちが思い描く復興。それは尊重されるべきです。しかし、従来の「常識や先入観」と復興の新しいアイデアは時には相反することがあると考えられます。その際は互いに尊重し「新しい能登の未来」を一緒に創っていく仲間として協同することが必要です。
 では、具体的に100年後、22世紀の能登に何を思い描くでしょうか。未来の世界は政治や経済はもちろん変わっているでしょう。私は、少し突飛に思えるかも知れませんが、その変遷の一角に能登が日本の特区として、最先端の暮らしを経験できる「日本の実験場」になっている未来を想像します。日本は良くも悪くも先行事例が重視されます。ならば、「先行事例」を作る場所としての能登半島の復興を想像したいのです。「新しい教育」「新しい政治」「新しい経済」「新しいアート、芸術」今見えている範囲でも新しい取り組みや思想は多くあります。それを小規模ながら試み、日本や世界の最先端にいるような能登半島を私は見てみたいです。
 元々住んでいる文化を尊重しつつ、新しい種を蒔き始める。小さいものを積み重ね、取捨選択していく。新しい能登に若い世代が関わっていくことを希望します。私は、「従来の常識や殻を破り、新しい未来を切り開く」、「他分野に渡る連携・融合」、それが能登の未来に必要だと考えています。

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