能登の未来

FUTURE

能登の未来

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投稿者

松多信尚

災害は不幸なことであるが、歴史的にはその地域を変え、その後の地域の発展につながった例も多い。私は能登を「多様な伝統と文化を活かしながら、過去と未来とをつなぐモデルの代名詞」にできればと思う。
能登には3つの特徴がある。

①日本の多くの田舎がかかえる過疎化、高齢化問題を抱える地域
②比較的大きな半島で比較的若い地質の丘陵地であり、海と山との距離が短く、山は低く、小さな盆地や海沿いの集落など独立した集落が点在する地域
③古くからの景観が良く残り、地域ごとに異なる伝統や風習が残っている地域

これらの特性を活かし、持続可能な社会を構築することが理想と思う。
明治以降とくに戦後に続いてきた地方の過疎化は大きな節目にある。コロナ禍によって、ネット環境が良ければどこででも可能な仕事が多くあることが明確になり、雇用における都市の優位性は小さくなり、魅力がある地方への移住も選択肢となる。また、仕事が奪われると恐れられるAI化や人工衛星を用いた自動運転技術は労働人口が少ない地方には追い風となり、労働力やコストが経営の障害となっていた交通網の拡充や農業の大規模化などが進む可能性が高い。これらは、能登に限らない問題であるが、高速ネット網の整備などいち早く近未来社会に適応できるインフラ復興ができれば、ファーストペンギンとして能登ブランドが確立する。また、高速ネット網の整備に合わせてAIを活用することで、AI診断を大規模に取り入れた最新鋭病院を核とした在宅医療や、僻地医療などで域外から患者を受け入れることも可能となる。また、教育にオンラインを活用することで、小規模校の統廃合をやめ学校を核とした地域の維持にもつながる。
 能登は半島であるため、通過する人がいないこともあってか文化や風習を残した独立性の高い集落が多い。これからは関係人口を増やしながら伝統的な風習や文化を復活させるなど活かしていくことを提案したい。イメージとしては能登全体がディズニーランドや瀬戸内芸術祭の直島で、各集落がアトラクションや芸術作品に相当する。具体的には、特定の没入感が強く合意形成がされて維持管理可能な集落や施設を核として、伝統的な景観や風習を維持する。そのうえで、交通の便が悪くても、没入感が重要で空き家活用などもできる長期滞在型(インバウンドを含む)のリゾート地を目指す。単なる観光地ではなく、人的交流、景観維持、特産品の送付などを通して「疑似ふるさと」を提供する。外部の人を孫や子供、能登の住人を祖父母といった疑似関係性を構築する。農業や漁業、加工品などは、収入源であると共に彼らを繋ぐアイテムとして、田畑などの景観や伝統は観光資源としての役割を持つ。将来的にブランド化が進めば教育や福祉なども充実させ、居住者増を目指す。
 このような地域の文化を継続しながら新しい社会に適応した古くて新しい地域のモデルを能登スタイルと称したい。

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