能登の未来

FUTURE

生業と歩む能登の未来

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投稿者

西海温人

 今回の地震で多くのモノを失いました。18年間生活した実家は倒壊、日々流れる故郷・能登の変わり果てた姿に心を痛めました。あれから2ヶ月が経過し、現在は能登から離れて生活していますが、日に日に能登への思いは強くなり、自分には何が出来るかを考える日々が続いています。
 当初の暗く沈んだ心が変化し意欲や使命感を感じるようになったのは、地域を未来へと繋ごうと日々励まれる能登の人々の志や姿を日々、報道等で拝見し、自らも復興の担い手であることを改めて感じたからです。
 現状と100年後の能登を考えると、私は能登が「あるべき未来」に向かっていると信じます。100年後も地域が維持され、人々が生活を営むことができる能登を維持することこそが、今後の復興や地域計画の目標であるべきだと考えます。震災後、多くの方々が能登の未来に向けて尽力し、地域のために情熱を持って取り組んでいることで、能登の未来は少しずつ明るくなっていると感じます。
 そして、能登を100年後に確実に守り継ぐ為には、能登の生業の存在が必要不可欠であると考えています。多くの人々が能登を支えようと被災されながらも生業を守るべく懸命に励まれる姿に強く心を打たれました。能登の人々にとって"生業が生きるための手立て"であるだけでなく、"生きざまを示す業"であるように感じました。生業は100年後も残すべき地域の宝であり、そして生業の存続が地域の存続に繋がると確信しています。能登には伝統産業が多く、能登の歴史と共に歩みを続けてきました。100年後も能登を守り、存続させるためにはこの先も地域の生業を守り続けなくてはなりません。
 私は現在大学生で経済学を学んでおり、その中でもデータサイエンスを専攻しています。私はこの学問を修め、地域に活かし復興に貢献したいと考えています。100年後に能登の生業を守り続ける為には、能登の企業がECの利用をより充実させ、収集したデータを活用した経営を取り入れる必要があると考えます。現在、能登に支援を下さる多くの方々に長期的に能登を思って頂く事が何よりも復興において重要であり、またこれらのデータや情報は今後復興のモデルとなる可能性があり、貴重であると考えます。
 今後、能登ではこのような技術を扱える人材が必要になると考えており、大学での学びを続けることで私自身もそのような人材となり能登の生業を未来へと繋ぐ一助となることを志望しています。能登の生業と歴史を繋いできた先人たちと、被災に負けず生業と能登支えている人々の思いを100年後に伝えるために、今自分に出来ることを全うし、将来は私自身も能登と生業のバトンを繋ぐ担い手になりたいと思っています。

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