能登の未来

FUTURE

米!酒!魚!震災を乗り越えるモデルケースとしての能登半島

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投稿者

大倉幸章

 能登半島は、自然の恵みに恵まれた美しい土地だと思っています。昔から米や大豆などの農作物が栽培され、塩や牡蠣、鰤や蟹といった新鮮な海の恵みも豊富にある土地です。私は大学入学を境に愛知県から石川に引っ越してきて、そうした能登の美味しい恵みを堪能してきました。しかしながら、今年の地震でこの地域は壊滅的な打撃を受け、復興が喫緊の課題となっています。100年後、私は能登半島を海と陸の恵みが再び食卓を席巻し、自然の恵みを活かした震災復興の典範としての姿が見られることを望んでいます。そのためには、以下のような点に重点を置いて取り組むことが重要だと考えます。震災をも一つの歴史として伝統に組み込むような強さを持った場所であってほしいと、願っています。地震の記憶は半島の人々にとって困難を乗り越える力となり、新たな技術と伝統的な知恵が結びついた復興の象徴となる力を秘めていると考えます。まず農作物に関しては、能登半島の肥沃な土壌を活かした農業が震災前より発展していてほしいと考えています。地震等の環境変化にも強い作物の開発、土壌改良、そして水資源の管理が進み、そして何より美しい観光資源としても、農業が地域経済の柱の一つとなる未来です。急峻な山々と、深い雪と、強い潮風に囲まれた美しい地域で作られる農作物であれば、世界のどこでも通用する魅力的で将来性のあるブランドに成長できるでしょう。同時に水産業の再生も重要だと考えます。能登半島の豊かな海が再び生命を溢れさせ、持続可能な漁業が行われていることを望みます。能登半島は海流の関係から、豊かになることが約束された海であると私は考えます。地震によって失われた漁場が復活し、新しい技術が導入され、海の恵みが地域社会に安定した収入をもたらすことを期待しています。特に私は年間を通じて安定的な供給が可能で、年や時期に左右されにくい養殖漁業を発展させてほしいと考えます。そしてそうした海と陸から生み出された食品を、加工によって更に魅力的なものにしてほしいと感じています。これまで以上に深みの増した日本酒や、魚のうまみを最大限に引き出すことのできるいしりの実現が必要です。能登という地域が被災地という歴史を持ちながらも、それをバネとして世界最高の製品を作れるという事実によって、今後も起こってしまうであろう災害の被害者に対する力強い希望となることを望みます。農作物と水産物が地域の、そして復興のアイデンティティを形成し、能登半島が再び日本の誇りとなる日を心待ちにしています。私は石川に来てまだ日が浅いですが、美しく美味しい海と陸に強い魅力を感じ、同時に復興への強い思いがあります。この目標に向かって、地域の皆さんと共に力を合わせて取り組んでいきたいと思います。

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