能登の未来

FUTURE

ハイテク縄文時代を生きていく

  • Facebook
  • X
  • LINE

投稿者

中町美智子

【アウトドア経験で苦境を乗り越えた】
2024年1月1日 16時10分
珠洲市三崎町にある実家へ帰省中、家族で団らんをしている時だった。大きな揺れを感じて一斉に家から飛び出し、近所の家が煙をたてながら崩れていく様子をこの目でみた。数日間は、趣味のキャンプ経験を活かし、庭にテントを張って七輪や炭で暖を取りながら身体を休めた。寒さをしのげたことやガソリンの給油ができたことも奇跡の連続で、全自動の法則が働いた。
「実家の片付けに行ったときは、神棚の餅も食卓もそのままで。いつもならねずみにかじられているのに、あれだけいたねずみがいないってこと?!この家は危ないんやね。」あの日から時間が止まったままの家からは、誰もいなくなってしまった。

【能登から始めるあたらしい住環境】
これから家の建築を検討している方は、空き家バンクを活用して改築したり、身体や環境負荷の少ない天然素材を使ったエコハウスを推奨したい。
「本来ヒトは竹や漆喰、土、麻ひもなど自然のものを使って家を建てて暮らしていたんよ。そこには化学要素は一切ないし、漆喰はウイルスを消滅させるし湿気を吸う。藁は脱臭・断熱・脱臭に優れていて、もちろんお金は必要ない。上手に自然と共生していた先住民の知恵を、日本中のみんなが思い出してほしい。知ってほしい。」
現代の建築ではビニールクロスを使うのが一般的で、接着剤や合成樹皮などの化学物質に、身体が悲鳴をあげる子どもも少なくなく、これでは本末転倒。
「水洗式トイレやボタン一つで湯が沸くお風呂など、発展した文明や文化の便利さはそのままに、自然素材を使った永続可能な健康住宅を能登の再建に活用してほしい。エコビレッジビルダーを能登に呼んで、ワークショップをするのもいいやんね。縄文時代と令和のいいとこ取りの家!」と提案します。
 古くから語り継がれている暮らしの作法や、自然と向き合ってきた人々の歩みに、真の豊かさのヒントがあるのかもしれない。

【ゆっくりでいいんよ】
「日本語や漢字には魂が司っていて神秘的やし、一生懸命頑張っている人に『頑張れ』『早くせぇ』っていうんやなくて、『マイペースでいいよ』『ひと休みしたら?』って声をかけるほうが幸せやと思うげん。」
元々日本人は虫の知らせという言葉があるように、地球上で唯一自然とつながり生きる事の本質を知っている民族だった。「気」という字も本来は「氣」であり、エネルギー源である米の漢字からは八方に広がるマークにもみえる。日本人は言葉に意味を込めて、そして祈ってきた。
なくしたものを取り戻していく再生の時代が始まった時こそ、掛け合う言葉はやさしくあってほしい。能登の未来には、虫も動物も人間も隔たりのない自然と調和したエコビレッジが存在し、ニュー能登の国が幕開けしている。

  • Facebook
  • X
  • LINE
TOP