能登の未来

FUTURE

小さな素敵な学校

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投稿者

坂口清子

とても小さな学校がありました。その年その年で全国生徒の数は大きく変わります。多い時で20人程少ない時で9人。ひとクラスではなく全校の人数です。みんなとても仲が良く兄弟姉妹や家族のようでした。
 体育館もグラウンドも思う存分使い、いつも身体を動かしていました。小さい子も年上の子について身体を動かすので皆運動が得意でした。
 縄跳びで何十回も二重跳びを跳び、鮮やかにはやぶさや難しい技を決める高学年の子は皆のヒーローでした。
 何度も何度も繰り返してチャレンジする子は立派なリーダーになりました。
 毎年の親子キャンプはとても楽しく、曽々木の海岸で泊まった事も鴨浦のプールで泳いだことも、学校の校庭にテントを張って星空を眺めた事も良い思い出です。
 皆でいろんな事をしましたね。
 先生が沢山の植物の標本を作ってくれました。
 毎年地域の方とおいもの苗を植えて、芋掘りを楽しみましたね。
 お米の先生の田んぼで裸足で泥にはいるのは気持ち良かったですね。初めての稲刈りの日は体が痛いと言って帰って来ましたね。
 運動会はパン食い競走に障害物競走徒競走にリレーに白熱しました。
 肝試しのために音楽室や理科室にガイコツを並べオバケになりきって皆を驚かせた事もありました。
 私はお母さんになって思うのです。子供の時って楽しい事が大事で、大変な事が大事で、グラウンドの砂の感触や、波のしぶきの冷たさや、真っ暗に浮かぶ星の光も、花々の小さな輪郭も、虫の動きも全部必要だと思うのです。
 また輪島に、小さな素敵な学校が出来て、どの子も楽しく過ごせる事を願っています。

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