能登の未来

FUTURE

100年後に繋げたい 全てが循環し、発展する第一次産業

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投稿者

柳田尚利

能登は2011年、日本で初めて『世界農業遺産』に佐渡市とともに認定された素晴らしい地域です。『世界農業遺産』とは国連食糧農業機関により、世界的に重要な農業地域を未来へ引き継いでいくため、伝統的な農林漁法、伝統技術、農村文化や景観、生物多様性などを構成要素とした「地域システム」を認定されたものです
その地へ移住し、第一次産業の果樹園を営む身として今回の震災を体験しました。そして、春に避難先から帰ってきて、家と果樹園の改修に費やす毎日を過ごしながら、100年後に生きる孫やひ孫に残して行きたいものを考えた時、浮かんでくるもの。それは、美味しい食べ物、美しい風景、素晴らしい伝統文化です。そしてそれが観光産業に繋がり、農林漁業の循環だけでなく経済の循環も起こせると思っています。そのために私は水を守り、環境を守る農業をしてその先に繋がっている海・海藻を守り漁業も守って行きたい想いがあります。
里山里海、海と山がとても近い能登の自然は来ていただければ誰もが感じるであろう素晴らしいものです。そこで いい農業 いい漁業を営めば、しっかり稼ぐことができ、それを見て多くの若者が帰ってきたり、私のように移住してくる人も出てくるはず。
今回の震災で、一気に20年過疎化が進んでしまったと言われるこの地で日本でもトップクラスの地域システムを、いい意味で変化・進化させて100年後に繋げて行きたいと強く思っています。と、同時に多く残っている能登ならではの伝統文化・無形文化財は今のものを守り続けて、変化させることなく100年後に残すべきものだと
これも強く思っています。
100年後、私はこの世にいませんが、その頃生きている子孫に、2024年の震災が悪夢として伝えられず、あれがあったから、あの時踏ん張ってくれたご先祖様がいたからと言って、この里山里海を満喫しながら生き生き生活してもらえるよう今日も仲間と連携しながら美味しい食べ物を作ります。

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